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9月3日上級のオンライン授業。いつものように1時にZOOMによるオンライン授業を始めました。

『先生、きょうは大変な日。菅総理がもう辞めます』という学生。

私はそのニュースを知りませんでした。毎日、新聞は丹念に読んでいます。

『え、朝刊にはそんなニュースはなかったですよ』

『そうじゃないです。さっき、発表しました』といってwe chatでこのニュースを送ってくれました。

私はあわててスマホでニュースを確認しました。

そして、菅首相が「新型コロナウイルス対策と総裁選の選挙活動は両方できない。感染拡大を防止するために専念したい」と退陣を表明したことを知りました。

その後、授業は日本と中国の政治の授業になりました。

「支持率がさがったからしょうがない」という学生。

「1年で終わるのは政治に一貫性がない」

中国の政権からみればそうでしょう。習近平さんは9年間最高指導者を続けています。そして、強権国家としての道を歩んでいます。過去の歴史を見れば、長い期間支配を続けてきた国家は強権国家であったことがわかります。

私は、菅首相がどうして総理になったかを説明しました。官房長官として安倍政権を8年間支え続けたこと。横浜の市議会議員から誠実に仕事をして、信頼を得てきたこと。安倍首相が任期途中で退陣することになり、安倍首相の残された1年の任期を引き継いだこと。コロナ対策に全力をつくしたこと、こども庁を創設したこと、コロナ禍でオリンピックを実施したこと、不妊治療を保険適用にしたこと・・・。9月1日にはデジタル庁が発足したことも話していました。

日本の政治制度の説明。二院制、議員内閣制、三権分立、与党と野党、自民党の三役の人事・・・。

突然の事態に、何も準備していなかった私は、ふだん考えていることを、ていねいに、話しました。

学生たちは興味をもって、この歴史的な日の対話を続けました。

学生たちとの対話は90分以上続きました。

『知らなかったことが知れて楽しかった』

『日本人の意見がわかった』

『中国とのちがいがわかった』

この学生たちが、よりよい多文化共生社会を創っていくことを念じて、授業を終えました。