夏休み補習最終日。

『日本語を学ぶことは楽しい』『対話は楽しい』と感じてほしいと念じて授業を始めました。

私:「ワクチンはもうもうしこみましたか?」

「はい」と二人の学生が答えました。一人の学生は学校の近くに住んでいます。

私:「そうですね。チンエンシさん。すみだくははやいですね」

チンエンシさん:「はい」

私:「チンヨウさんはどこでワクチンをうけますか?」

チンヨウさん:「ともだちのかいしゃです」

私:「ともだちのかいしゃはどこですか?」

チンヨウさん:「(困った顔をして)シーチェン・・・」

私:「シーチェン?? 日本語でなんですか?」

チンヨウさん:「シーチェン、ザンマシュオ?」

わたしはそのとき、チンヨウさんは、東京23区を日本語でどういうのかを知らないことに気が付きました。日本に来て6か月・・・そうなんだ、それも伝わっていなかった・・・

そして、東京23区と山の手線30駅を伝える対話の授業をすることにしました。

最後は、東京23区かるた・・・そして山の手線かるた。私が10年以上前に大切に作ったかるたです。

ルールを説明しました。

わたし:「1.じゅんばんのひとは、カードをおもてにします。2.そのかんじをよみます。3.いっかいだけです。4.よめません。カードをうらにします。5.カードをうごかしてはいけません。6.ちゅうごくごをはなします。カードをもらえません。わかりましたか?」

学生たち:「はーい!」

そしてゲームが始まりました。

学生たちのしんけんな顔・・・

コウショウタンさん「うーん、おお・・・さき」

私「おっしい・・・」

みんながわらいました。

チンエンシさん:「おお・・・つか?」

みんな真剣に、頭(こころ)のなかにある認知構造から情報を検索しようと、対話(willing to communicate)を続けました。

学生たち:『はじめてゲームをしました。たのしかった・・・』

補習の最終日、わたくしは、学生たちと、楽しく真剣な学びの空間をともにすることができました。