この日本語教室の小径で何回も紹介した2022年2-2クラス。1.聴く力・話す力の育成 2.対話的読解力の育成 3.対話的作文力の育成 4.日本についての知識 5.寛容性・自律性の育成を目標に1年あるいは2年3か月取り組みました。本当に対話力がついていきました。
進学の結果は
💛大学院5名
東京芸術大学油画第6研究室
九州大学総合理工学部
日本大学商学研究科
工学院大学工学研究科
松陰大学経営学研究科
💛学部6名
東京都市大学情報工学部
獨協大学外国語学部
文化学園大学ファッションクリエーション
日本経済大学経営学部
大東文化大学外国語学部
神戸芸術工科大学環境デザイン3年編入
💛専門学校2名
東京製菓専門学校
東京経理総合学院
自分の志をもってがんばりました。卒業おめでとう!専門学校にすすみ、来年、大学院の合格を目指す学生もいます。みなさんの旅立ちをこころから祝福します。
💛3月3日の卒業式は、1月生の1-7クラスも出席して、ほんとうにあたたかい式となりました。
卒業証書授与式の最後には『きょうの日はさようなら』を、こころをこめて、歌いました。
1.いつまでも絶(た)えることなく 友達でいよう
明日(あす)の日を夢(ゆめ)みて 希望(きぼう)の道(みち)を
2.空(そら)を飛(と)ぶとりのように 自由(じゆう)に生(い)きる
きょうの日はさようなら また会う日まで
3.信(しん)じあう喜(よろこ)びを 大切(たいせつ)にしよう
今日(きょう)の日はさようなら また会う日まで
💛卒業式の第2部では『2年間勉強して成長したこと』というスピーチをしました。どのスピーチもこころを種として言の葉が紡がれていて、一人ひとりに寄り添ってきた私には、こころあたたまるものでした。
外部審査員として凡人社社長田中美加さん、スリーエーネットワーク社長藤嵜政子さん、山梨学院大学入試センター李杰さんが参加してくださいました。
優秀賞に選ばれた陳天涵さんのスピーチを紹介します。紡がれた言の葉もすばらしかったし、伝える姿勢も素晴らしかったです。
🌹二年間歩んだ道🌹
一年前、2022年卒業生の卒業式に参加しましたが、あっという間に、卒業生の立場になりました。「光陰は矢の如し」を再び実感しました。
振り返ってみると、日本にいた二年間は二つの部分に分けられます。2021年は日本に来た最初の一年、私は未知との出会いを期待していました。友人といろいろなところに行って美味しい物を食べたり、日本の景色を堪能したり、楽しい一年を過ごしました。その結果は得る物もありましたが、失う物もありました。遊び心がついて、留学の本来の目的を見失ってしまいました。
そして2022年に入り、私は本心に戻って、大学院の試験を準備し始めました。自分は理系出身ですので、理系の知識の復習にたくさんの時間がかかりました。夏には一番行きたい東京工業大学を受験しましたが、筆記試験で落ちました。衝撃を受け、気持ちも一気にどん底に落ちました。留学を辞めていっそ国に帰るか、大学を目標とするか何か月も悩みました。最後は立ち直って冬の試験に一歩踏み出しました。現時点では結果が全部わからないのですが、最善を尽くしました。
よく「陳さんの日本語は上手ですね」とクラスメイトと先生に言われましたが、私の考えはちがいます。物事に「上手」とか「下手」はありません。やっていれば、どれも「前向き」な方向に進んでいるのだと思います。私のこの二年間は私だけのものであって、人と比較するものではありません。みなさんもきっとそれぞれ違う道があるでしょう。でも、みんなの道には一つの共通点があります。それは「前向き」ということです。クラスメイトのみなさん、そして先生、本当にありがとうございました。
スピーチ大会の最後に東京富士語学院の校歌としている『花』を、やはり、こころをこめて、あたたかい春の光のように、歌いました。
1.春のうららの 隅田川
のぼりくだりの 船人(ふなびと)が
櫂(かい)のしずくも 花と散る
ながめを何に たとうべき
2.見ずやあけぼの 露(つゆ)あびて
われにもの言う 桜木(さくらぎ)を
見ずや夕ぐれ 手をのべて
われさしまねく 青柳(あおやぎ)を
3.錦(にしき)おりなす 長堤(ちょうてい)に
暮(く)るればのぼる おぼろ月
げに一刻(いっこく)も 千金(せんきん)の
ながめを何に たとうべき
卒業おめでとうございます。みなさんにこころから感謝しています。2年間、楽しい、すてきな時間をありがとうございました。
卒業式の次の日、我が家で手料理でささやかな「卒業パーティー」をしました。東京の東から国立市までやってきてくれました。
そして翌週には、みんなが行きたいと言っていた『日光』に日の光を浴びにいってきました。本当に楽しい旅になりました!
あるテーマについて真剣に考える。
取り組む姿勢を継続する。いつまで考え続ける。
あきらめない。日々の生活の忙しさに紛れても
こころにしっかりと留め置く。
倉八先生と貴重な時間を共有したみなさまは幸いでした。
皆さまに送る言葉 尊敬するヘルマンヘッセは、
いつもあなたの足元にはマグマがうごめいていることを、
頭上は宇宙に繋がっていることを忘れないように。
ご卒業おめでとう