2024年3月15日第7回卒業証書授与式が行われました。今年の卒業証書授与者は66名、晴れやかに卒業証書を受け取りました。4名の来賓のご出席も賜り、東京富士語学院らしい、あたたかく、やわらかなまなざしに包まれた授与式となりました。

その後、来賓のかたがたに審査員に加わっていただき、卒業生による第7回「スピーチ大会」『日本に留学して成長したこと』が行われました。

総合司会は、卒業クラス2-2クラスで共に学んだ、厳聞憶さんと兪凛さん。出場はは、クラス内選抜を勝ち抜いた14名です。

2-5:5名 斉天銘  孫涛 李宗鵬 郭天緯 孫昊龍

2-4:4名 デギ  ディリレバ  段璐杰  劉馳

2-2 :5名  陳思媛 唐鼎 羅奇 黄楚翹 孟欣

どれも、自分の留学生活を内省し、言語化し、他者に伝わることばで伝えたすばらしいスピーチになりました。審査のポイントは、主張の明確性、わかりやすさ、発音、声・表現力、暗記、時間(4分以内)を5段階評価で評価しました。スピーチは、CEFR B2+の能力記述文「聴衆の前での講演Addressing Audience」『はっきりとして、体系的に展開したプレゼンテーションができる。』を達成したものでした。

 

💛最優秀賞は2-2の『黄楚キョウさん』。審査員のコメントには「どこも良い声で、明確な主張、そして、留学の体験談、成長できたこと、鳥肌が立つくらい感動的な内容でした」。学生特別賞とのダブル受賞でした。

「2022年10月9日に、人生はじめて飛行機に乗って、初めて他の国に行くことができました。その何も知っているものがない不安と期待の中、私の留学生活が始まりました。1年半がたった今、いろいろな気持ちが波のように押し寄せてきます。

留学して成長したことについて、いろいろなことが話せます。まず、言語能力が上達したこと。国で日本語を学んだことがありますが、スピードが速すぎるので、忘れたものばかりです。東京富士語学院では、そんなに緊張しなくて、落ち着いてゆっくりと一語ずつ勉強できて、こまかいことにも注意できます。先生に質問したら、なんでも解決できます。ストレスがなくて、日本語の世界を自由に探索できました。

次に、もう一つ大切なのは、やさしくて親切な先生がたと学生たちに出会ったことです。前はずっと一人の世界で抽象的な理論を考えていました。今、いろいろな人にめぐりあって、自分の世界だけにこもるのは必ず良くない結果を招くことを知りました。その悪い情況を避けるため、自分ひとりだけでなく、周りの人や物事を考えに入れなければならないことに気づきました。ほかの人の考えを知ったら、私の意図もはっきりわかるようになりました。

このように、自分の気持ちに気づくことができました。子どものころから自分より親の気持ちを考えてしまって、ほかの人の声が自分の声をかき消してしまってきました。自分が存在していることもわかりませんでした。泣いたらなぐさめてくれる人がいるなんて、知りませんでした。前は祖父に「そんなになぜ泣くの?」と叱られていただけでした。地雷のような怒りをもって生きていました。慰めがあるということは、私にとって、まるで奇跡のようなものです。人は、ただ、「なにをすべき」と「なにをすべきではない」の間で、他人の世界に生きている幽霊ではありません。人は前に進む道があり、無限な未来があると今、感じるようになりました。自分の気持ちを信じて、自分で決めて、歩んでいこうと思います。」

最優秀賞 黄楚ギョウさん

💛優秀賞は2-4の段璐杰さん。審査員のコメントには「スピードのコントロールもでき、優秀でした。成長体験、過去の自分への振り返り。内容は充実、感動的だった。応援しますのでがんばってください。」

「私は2022年7月に日本に来ました。初めて日本に来た時、憧れがあると同時に、将来についての心配が多かったです。日本語がうまく勉強できるかどうかと心配、ここの環境に適応できるかどうかと心配、将来大学に合格できるかどうかと心配・・・。しかし、スーパーに入った後から、物価の高さで、私の心配はまた重くなりました。

それで、私は仕方なく、ほとんど日本語が話せない状態でアルバイトを探しました。アルバイトの最初は、日本語ができなくていろいろ困ったことに合いました。同僚と交流ができないとか、お客さんのニーズがわからなくて仕事でよくミスをしました。

勉強の上では、日本語の能力はずっと向上していないと感じて、年齢のせいで、いつになったら日本語ができるようになるのだろうか、焦りが出て来ました。とても自信がなくなり、日本に留学することが間違った選択じゃないかと考えるようになりました。そして、毎日、焦っていました。

ありがたいことに、私にはとてもよい友だちと先生がいて、私が不安で迷っているときに、多くのはげましと助けをもらいました。私を落ち着いてここの勉強と生活に慣れさせてくれました。

この一年九か月の留学をふり返ってみると、まず,JLPTのN3に合格し、その後、N2に合格しました。12月に目標の大学にも無事合格しました。これまでの人生でほとんど成功することがなかった私にとっては、とても幸せなことでした。日本語の能力が上がるにつれて、日本の生活にもだんだん慣れて来ました。将来を過度に焦らなくても努力すれば必ず良い結果がもらえるということがわかってきました。今の私は以前よりも自信をもっています。

今年、私は32歳になりました。まもなく大学に入ります。将来の大学の学習及び将来の仕事にもきっと多くの困難があるに違いないです。この1年9か月の成長と変化がこれらの困難を克服するのにとても大きな助けになると信じています。もちろん、将来の私は成長し続けて、もっと強くなりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。」

優秀賞 段璐杰さん

💛敢闘賞は2-2クラスの羅奇さん。審査員のコメントには「声は良く、発音は上手だった。声の強弱もあり、自己分析もよく出来て、自分なりの成長道や方法があり素晴らしい!」

「みなさん、おはようございます。私は2ー2クラスの羅奇です。中国の浙江省から参りました。2年間、東京富士語学院で勉強しました。今は国文学科の勉学に励んでいます。今年の4月から大学の文学部に入る予定です。

これから、日本に留学して成長した経験についてお話したいと思います。

中学生のとき、日本語や日本文学について興味を持ちました。そして多くの文学作品を読みました。例えば、森鴎外や夏目漱石などの文豪の作品です。これらの作品は私のアイデンティティの形成に影響を与えました。

高校に入る前に、私は親に日本に留学したいという気持ちを伝えました。そして、高校を卒業した後、日本に留学に来ました。

日本に留学した最初の頃は、みなさんと同様に、言葉や規則などの異なる文化を全く理解できませんでした。また、一人暮らしの経験もありませんでした。 その時のことを思い出してみると、涙が出そうになります。

でも、何も理解できなかったからこそ、新しい冒険への扉を開くことになりました。人生の新たな旅が始まりました。

居酒屋のバイトも経験しました。それと共に、EJUの勉強も始めました。最初はバイトと勉学を一緒に進めることができました。でも、EJUの内容が難しくなると、勉強に多くの時間がかかりました。そして、私の心身は壊れそうになりました。二者択一せざるを得なくなりました。私は毅然として、勉学を選びました。その時私は『一つを選ぶと、他を諦めなければならない』ことを悟りました。

今の私にとって重要なことは何かという問いを常に考え続けました。答えは明白です。それは未来の人生に備えることです。

私は学校の校外学習にも行きました。校外学習で高尾山の登山に行きました。登山が人生であることを知ったのは、高尾山の登山を通してでした。高尾山に登った時、大変疲れました。特に山の中腹までいったところ、息が切れてしまい、諦めたかったです。けれども、私は遠くの景色を眺めて、自分が歩いた山道を振り返り、水を少し飲んで、また再出発しました。一人で歩きながら、考えました。『そうだ! もし疲れたら、少し休めばいいのだ』。

人生も登山と同じです。一回しかない、無理をせずに、困難に立ち向かい、勇気を持つことが大事です。

日本に留学して、私はいろいろなことを学びました。留学は私にとって宝物です。不安も多かったですが、この2年の留学で、自分の短所を改め、長所を伸ばすことができました。大学に入学後も、健康を維持しながら、日本文学や日本文化をもっと感じたいと思います。みなさん、一緒に頑張っていきましょう。ご清聴ありがとうございました。」

敢闘賞 羅奇さん

 

💛どのスピーチも留学生活で成長したことが伝わってきます。わたくしたちに努力の大切さとあたたかい環境の大切さを教えてくれます。ありがとう!!!

♬いつまでもたえることなく、ともだちでいよう。あすのひを夢みて希望の道を!♬

スリーエーネットワーク賞 孫昊龍さん

スリーエーネットワーク賞 孫昊龍さん

日大賞 陳思媛

日本大学賞 陳思媛さん

山梨学院大学賞 ディリレバさん

山梨学院大学賞 ディリレバさん