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                                         2021年8月19日

 東京富士語学院では2021年8月19日から、当分の間、オンライン授業と対面授業のハイフレックス授業にすることにしました。

この日から「文学との対話」の授業を始めるために準備をしていた私は、一抹の寂しさを感じていました。そんな朝5時、空が赤くなったあと、大きな虹を見ました。

こころがあたたかくなり、勇気が出てきました。

ZOOMのブレイクアウトセッションでやってみよう!

きょうの「文学との対話」は夏目漱石『夢十夜』の第一夜。教室には3人の学生。残りの11人はZOOMで参加。

私が漱石について語り、夢十夜を対話的に音読しました。

そして「どう感じたか」「どこがこころに響いたか」について話し合う対話のセッション。

ZOOMのブレイクアウトセッション機能でZOOMグループは3つに、それに、教室グループでした。

20分の対話の後、発表者が発表しました。発表を要約すると・・・

ルーム1「ほんとうに美しい物語。感傷的。男の人は墓標(はかじるし)。中国にも同じ話があります。樵の話です。」

ルーム2「真珠貝で穴を掘る。ほんとうに美しい表現。黒い眸のなかに鮮やかに見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た、これも本当に美しい表現。これは漱石さんの姿。当時の日本は西洋化、カタカナ語のなかで、どうすれば日本人は日本人になれるのか、日本人らしく生きられるか、を考えていたと思う。」

ルーム3「これは死の話。怖い。凄美という感じ。生と死の話。死んだあと、自分が自然に戻る。この物語には3つの色が出て来る。赤と白が生、黒が死だと思う。」

教室  「テーマは不思議。日本は当時男性社会だけれど、この物語では女がしっかりしていて、男がぼんやりしている。当時の男性社会に問題をなげかけている。ユーモアがあっておもしろい。」

「おもしろかった!」

「こんどはやはりみんな教室でいっしょに対話したいです。」

こんなに文学と対話できる学生たちに感動しました。