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 和洋女子大学日本語教員養成課程、日本語教授法の前期レポートは『「日本語教師という仕事 多文化と対話する「ことば」を育む」』(倉八順子,2021,明石書店)の第1章から第8章までを読んでレポートを書くことでした。1章から8章は前期の授業で対話的に考えてきたことです。26名の学生たちのレポート(各章の要約300×8,全体の感想400、今後の目標00、計3200字)は、どれも、私を勇気づけてくれるものでした。15回の授業をとおして、学生の内容と対話する姿勢が格段と進歩したことが感じられました。

3名の学生のレポートの一部を記します。

💛T.Y.さんは『日本語教師の姿勢』を次のように表現しました。

『今まで先生がどう日本語教師として、外国人の方と触れ合ってきたのか、授業でのお話を含め、本の内容を読み込むことにより、日本語教師という仕事の素晴らしさに気づいた。この異文化同士が絡み合う現場で、最終目標も違う彼ら彼女らに、真摯に向き合い先生も一緒に学習しているのが、とても印象的だった。私たちの日本語教授法という授業でも、一人ひとりに向き合い、「あなたはこういう人よね」「あなたの考えはとても素敵です」と特徴を踏まえて対話している。それを実際に日本語学校の現場でも行っているのだと感じた。また、感想を授業後に書くと、次の授業でしっかり「あなたは前回こういうことを書いてくれましたよね」と言ってくださったので、全学生の文章を読んでくださっていると実感した』

💛Y.Y.さんは『日本語教師をめざしたい』気持ちを次のように表現しました。

『まだまだ自分には日本語教師になる心構えが足りないと感じた。特に「文化的背景の異なる人々が出会うとき、無意識のうちに自分の生まれ育った文化を基準として行動し、相手の行動を解釈する」「ストレオタイプの判断をせず、学習者自身を観て、教育的判断をすることが大切である」「異文化と向き合い、受け入れる力は日本語教師に何よりも求められる力である」の3点が足りないと自覚した。1点目は、無意識というのは誰の中にもあり、それをどこまで意識化できるかが大切であると感じた。2点目は1点目とつながっているように感じた。3点目は一見簡単そうだが、相当高い能力が求められる上に、日本語教師になるために求められること全てに通じることと感じた。日本語教師をめざしたい、改めてそう思わせてくれる一冊だった』

💛K.M.さんは『日本語教師になりたい』気持ちを次のように表現しました。

『全体を読み終わり、やっぱり私は日本語教師になりたいと強く感じました。特に66ページの『ありがとう』からの引用の文章は心に響きました。この方の日本語力に感嘆したのはもちろん、こんな温かい言葉を生徒から受けるこの先生の生き方に感銘を受けました。また43ページの『多文化を受容するために』は先生の、日本語を学ぶ外国人へのリスペクトの姿勢を感じることが出来て印象に残りました。特にベトナムに行く時、先生はベトナム語を勉強していき話したということで、ベトナムの学校の方もリスペクトの意を感じて嬉しかったのではないかと思いました。私は外国人の方と話す機会があったら、その方の母国語で挨拶したいと考えました。偏見や差別のない、みんなが意欲的に学習に取り組むことができる授業をすることができるようになるために、これからもずっと学び続けていきたいです』

                                                    2021年9月6日