2023年11月22日(水)東京富士語学院では今年は全校校外学習ができないので、各クラスで校外学習を行います。私が担任をしている4クラス(2-2.2-4,2-5.2-7)の希望者で東京の紅葉の名所、高尾山に行ってきました!希望者は30人!ネパール人、ウズベキスタン人、モンゴル人、中国人、まさに<複文化主義>の校外学習になりました。
10時に高尾山口に集合でしたが、それぞれにそれぞれの時間概念があり、結局みんなが集合したのは11時でした。ネパール人はみんな揃って、11時に高尾山口にやってきました!
待っている間、学生たちは「きょう、初めて登山でワクワクしています!」と・・・
この日の高尾山口は、原宿のラッシュのように、人々でごった返していました。高齢者も外国人もそして若者たちも、それぞれに、それぞれの時間を楽しんでいるようでした。
時間通りに到着した学生たちは、だれも、まだ来ていない学生に対して、「遅いね!」とか言わないで、待っていました。私は「寛容性が育っている」と感じました。これが<複文化主義>なのかもしれないと、それぞれの文化を尊重する姿勢です。SNSがあるから、連絡はとりあえるので、状況が理解できます。学校に集合していたら、こんなことにはならなかったのかもしれませんが、みんなが自立性をもって、現地に集合する・・・。そこから育まれる「自立性」と「寛容性」があると感じました!
ふだん学校に来なくなってしまっていたウズベキスタン人の2人の学生も明るい表情で集まってくれました。日本文化を感じたいのかなあ、と思いました。みんなと出会えたこと、本当にうれしかったです。
みんなで1号路を登り始めました。1号路は表参道コース、3.8キロ。タコ杉や杉並木、「高尾山の自然」をテーマにした山頂までのコースです。ケーブルカー(日本一の急勾配31度.18分)・リフトで15分の山頂駅までの道のりは、急勾配です!道はアスファルトで歩きやすいのですが、登り始めるとそのうち、学生たちは無言になりました。だれも「たいへん」とは言わなかった。そんななか、ネパール人は明るく話し続けていました。
「先生!ケーブルカー!ケーブルカー!!」
「もうカーブルカーの駅はないです!歩こう!いっしょに!」
みんな、さすがです。日本語の勉強で忍耐力が育まれているので、がんばって歩き続けました。
そして、ケーブルカーの山頂駅につき、一休み。学生たちは<水!水!>と、自動販売機で水を買っていました。
文学を目指している羅奇さんは、「この登山から教訓を学びました!疲れたら休めばいいんだと」・・・
途中で「串だんご」をみんなのために買ってくれる学生がいたり、みかんをくれる学生がいたり・・・
励まし合う学生がいて、<やさしさ>を感じました。
ケーブルカーの高尾山駅からは道は少しなだらかになり、女坂をとおって、薬王院へ。紅葉を楽しみながら、599メートルの山頂へ。
雲一つない青空。富士山もきれいに見えました。
「あれが富士山?」。ああ、学生たちは富士山に行ったことがないんだなあ、コロナ前までは、全校校外学習で必ず富士山に行っていたのに。富士山を見てほしいなあとこころから感じました。
山頂で、写真を撮って、みんな思い思いの時間を楽しんでいました。
私は文学を目指す羅奇さんと、心理学を目指す孟欣さんと、山頂の土手に座って、昼ご飯を食べながら、「文学」や「心理学」について話しました。
「なぜ文学をめざすのだろう?」
「先生、福沢諭吉は、「有形においては数理学、無形においては独立心」と言っている。すばらしい!」
「文学をとおして、自分をみつめていきたい!」
「いろいろな人が自分を表現する<日本語>があって、それがすばらしいと思う。こころからいまそう思っています」
「自分がなぜ、生きているのか、それを知りたい!」
「そう!なぜ生きているのだろう?」
彼/彼女たちは、「校外学習って、自分について考える、文化について考えるために、するのだと思う、そのためにきょう、来ました。来て本当によかったです」と語りました。
帰りは、ケーブルカーで、と考えていた学生たちも、ケーブルカーに並ぶ長蛇の列を目の当たりにして、下りも歩いて帰っていきました。
途中でネパール人女子学生たちが串団子を食べているのに、出会いました。
「先生!先生!楽しい!!疲れたから、串団子おいし~い!」
どこまでも、明るいネパールの学生たちでした。
無事に下山できて、安心しました。学生のみなさん!本当にありがとう!
今度は、卒業前に日光に行きましょう!
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