CEFRの考え方をとりいれて、教師一丸となって初級クラスに取り組みはじめて、3か月がたちました。

💛そのなかで教師からいくつかの課題が寄せられています。

1.『対話シート』で「受容」「産出」活動に取り組もうとしても、学生たちをアクティブに活動に向かわせることがむずかしい。

2.会話から始める文型導入では、会話も文型導入も中途半端になる

💛また、学生たちのからの声として

1.「対話シート」はただ写すだけの「文法活動」になっている。会話の練習になっていない

 

教授活動とは、教師の教授姿勢に基づいて、授業の中で立ち起こってくる事象を教師が観て、教師が瞬時に判断をおこない、その判断に基づいて教授活動を調整しながら実践していく、連続課程です(『教室でどう教えるかどう学ぶか』)。教授活動をこのようにとらえると、教師には、

1.教授姿勢

2.学習者を観る目

3.教室で起こってくる事象を観る目

4.その観察眼に基づいて次の教授行動を判断する経験知

5.その判断を確実に実践していく実践知

が求められます。そして、これらの5つの力量は、マニュアルとしては伝えられないものであり、研修では学べないものです。いわば、一人ひとりの教師のビリーフ、生き方が結果するものだと言えます。

すぐれた教師の教育実践にふれるたびに、わたくしはこの信念をつよくしてきました(『競争原理を超えて』)。

 

🌹 みんなの7課では、学生たちが「こころからかかわれる教材」を「わたしの家族」と判断し、いま、この学生たちに、他者への敬意の念を育むことが何よりも必要だと判断し、教授活動を行いました。

1.グループに分ける

2.作文を書く(5つの文)

🌹わたしの家族🌹

1)わたしのかぞくは4人です。

2)父と母と兄とわたしです。

3)こどものころ、わたしはピアノをならいました。

4)わたしは誕生日にケータイをもらいました。

5)母の誕生日にはなをあげました。

3.グループで「わたしの家族」を発表する

4.グループの他のメンバーはリスペクトをもって、かんしんをもって、聴く

5.教師がはいって、発表内容について対話活動を行う。

 

学生たちはこの教材に「こころからかかわり」、対話活動を行っていました。

🎵これからも、学生たちが「こころからかかわれる教材とはなにか」を考えつづけ、実践し、ひとつひとつ実践知を積み立てていきたいと思います🎵

クリックして、学生たちの取り組みの様子をごらんください。

https://youtu.be/SQt_vLeUd_E

参考文献

遠山啓(1977)『ひとりひとりを生かす教育 競争原理を超えて』太郎次郎社

吉田甫・栗山和広編著(1992)『教室でどう教えるか どう学ぶか 認知心理学からの教育方法論』北大路書房