東京富士語学院では、CEFR2018(ヨーロッパ言語共通参照枠companion volume with new description)に基づいて2021年に作成された『日本語教育の参照枠』に基づいた日本語教育環境の整備をしています。

🌹『日本語学習者=社会的存在としてとらえる』:日本語学習者は単に言語を学ぶもの→ともに生き、共に社会を作る存在

🌹『日本語教育の内容は、共生社会・社会構築のための言語教育』:言語中心の画一的な言語教育(決まった語彙・文型を決まった順番で→個人や集団が置かれた社会的文脈を踏まえて多様で創造的な言語教育』

 

この教育環境の整備のために、オリジナル教材を作成しました。

1.みんなの日本語1課―50課 対話シートの作成

2.N4文法テキスト・N4語彙テキスト・N4漢字テキスト

3.N3文法テキスト・N3語彙テキスト

4.N2文法テキスト・N2語彙テキスト

5.N1文法テキスト・N1語彙テキスト

 

オリジナルテキスト「N2文法テキスト」は、日本語能力試験N2の合格を目指して、N2で出題される文型を学びますが、自分の現実に表現したいことを表現できるため、すなわち、「共生社会・社会構築のための対話力」を身に付けていきます。対話的に聴く力、読む力を身に付けたうえで、対話的な話す力、対話的な書く力を身に付けていきます。

今回は、日本語能力試験について整理しておきます。

日本語能力試験は1984年に始まりました。国内向けには日本国際教育支援協会(JEES)、海外向けには国際交流基金が行っています。

2010年にはCEFRの考え方に基づいて、新しい日本語能力試験(N1-N5:Nはnew)がタートしました。新しい日本語能力試験のポイントは次の2つです。

🌹ポイント1  課題遂行のためのコミュニケーション能力を測る CAN-DO目標

試験を構成する3つの要素:言語知識・読解・聴解

①日本語の文字や文法についてどれくらい知っているか:言語知識(文字・語彙・文法)

② ①の知識を実際のコミュニケーションでどれくらい使えるか」聴解・読解

🌹ポイント2 五段階のレベル

N1:幅広い場面で使われる日本語を理解することができる

読む  新聞の論説・評論など

聞く   自然なスピードのまとまりのある会話やニュース

N2:日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる

読む  論旨が明快な文章

聞く  話の流れや要旨を理解できる

N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる

読む  日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章

聞く  日常的な場面の会話

N4:基本的な日本語を理解することができる

読む  日常生活の身近な話題

聞く  日常的な場面でややゆっくりとした会話

N5 基本的な日本語をある程度理解することができる

読む 日常生活の定型的な語句や文

聞く  ゆっくり話される短い日常会話

 

🌹実施されている地域

国内:47都道府県

海外:海外の実施都市・実施機関一覧 | 日本語能力試験 JLPT

国際交流基金の資料によれば海外では300都市以上で実施されています。詳しくは国際交流基金のHP参照。

日本語能力試験で測られる力は、「言語知識」と「聴く力」「読む力」ですから、対話的に「話す力」、対話的に「書く力」については、独自の取り組みが必要になります。対話的に話す力、書く力に取り組むために、東京富士語学院では、オリジナル教材、「文法テキスト」「語彙テキスト」を作成しました。

次回以降は「N2文法テキスト」を使った対話的に書く力、話す力の取り組みについてお伝えします。

N2文法テキストを使って、発信する学生。